一度お金を借りてしまうと、ついクセになってしまうことってありますよね。
お金が懐に入っている、というだけで気持ちに余裕が生まれます。
すると、「これ以上借りちゃだめ」という歯止めがきかなくなってしまうんです。
給料日直後のあの何にでもお金を使える感覚が、毎日ずっと持続すると考えれば無理もないことです。
しかし、借金は借金。
いずれは利息をつけてすべて返済しなければなりません。
クセになった借金グセのせいで、積もり積もった支払いに頭を悩ませて…。
最終的にはどうすればいいのかわからない、という方も少なくない世の中です。
そこで、「借金まみれだったけど、全力で挽回、復活した!」という方を募集、経験談を聞かせていただきました。
どのような経緯で借金をしたのか、はたまたその後の復活にはどのような策を講じたのか…。
いままさに借金に困っている方へ、少しでもお手添えができれば幸いです。

アンケート結果では、平均借入額は238万円となりました。
その大半の理由が生活費の補填や、ギャンブルの軍資金、遊興費として借りている方がほとんどでした。
東京都が2016年11月に発表した資料では、一人当たりの平均債務額は690万円となっています。
大半は「借りては返す」いわゆる自転車操業に陥っているような状態です。
現在も返済中、もしくは完済された方がとった解決策は以下のとおりです。
- カードを持ち出さないようにする
- おまとめローンを利用する
- 利率の高いものから返済する
- 弁護士に相談し、債務整理を行う
詳細はページ本文を参照してください。
これが借金まみれの実態。100万円以上の借金を作った理由とは?
例えば数十万円程度の少額の借金であれば、月々の収入で返済できます。
だから、きちんとシミュレーションをして計画を立てて…という算段になるのではないでしょうか。
これが数百万円単位、借金まみれになってしまうと、金銭感覚の麻痺や、本当に自分の借金なのかさえ判断が困難になってしまうことがあります。
アンケートの中では、まずはどの程度借金をしていたのか、また何社から借入をしていたのか。
それぞれ理由も合わせて伺いました。

(自営業の男性・50代)

消費者金融で借りて精算をしたのがはじまり。
結局5社から総額250万円を借りました。
(パートの女性・30代)

(会社員の女性・30代)

1人で通いつめるようになり、気がつくと2社から400万円もの借金をしていました。
(会社員の男性・30代)

収入がなくなり、生活費が足りなくなったため、10社から400万円を借りた。
(会社員の男性・30代)
このように、大きな理由としては以下のような声が多くありました。
- 生活費が足りず、仕方なくお金を借りた
- パチスロ・ギャンブルにハマった
- 買い物が止まらなくなった・買い物依存症になった
- 病気で働けなくなり、お金を借りて生活をした
複数社から多額の借金をしてしまう方は、最初こそ軽い気持ちやきっかけから少額の借金をします。
それがだんだんエスカレートしてしまい、やがて自制がきかなくなってしまったケースが多いようです。
借金総額平均は238万円。しかし、世間には500万円以上も
今回経験談をお聞きした方々の借金総額の平均は238万円で、約4社から借り入れしているという結果になりました。
しかし、東京都が2016年11月に発表した資料によると、一人当たりの平均債務額は690万円。
そして借り入れ先は4社以上から借りている人が最も多いという結果になっていました。
参考:http://www.metro.tokyo.jp/tosei/hodohappyo/press/2016/11/08/07.html
借入理由のほとんどが収入減、失業など
また主な借入理由としては「低収入、収入の減少」となっていて、失業や転職が起因となっています。
事故や病気による療養をきっかけにしている方も少なくありませんでした。
- 心身的な問題で思うように働けない方
- 収入が少ないために生活に苦しんでいる方
こうした方がお金を借り入れ、さらに困窮してしまうという悪循環が見て取れます。
アンケートにお答えいただいた方の中にも、以下のようなコメントがありました。

(会社員の男性・40代)
度重なる借金から自転車操業に陥り、当時の状況を後悔されている方が多いです。
今もなお借金返済に追われて苦しい生活を送っている方がいらっしゃいます。
こうした借金まみれの生活を乗り切った方や、あるいは現在も返済している方はどのようにお金を工面しているのでしょうか。
借金まみれの苦しい生活からどう抜け出すか?3つの解決策
アンケートに回答いただいた方たちの解決策をもとに、数百万円単位の借金から抜け出すための具体的な方法について、まとめてみました。
- 自力返済
- おまとめローンで借入をひとつにまとめる
- 債務整理による法的処理
自力返済。毎月可能な限りの金額を返済するようにした
特別な救済措置に頼らず、自力で返済するという方法です。
多くの方は、仕事を増やすことで収入増につなげ、少しでも返済に充てているようです。
自力で完済できれば、ブラックリストに載るなどのデメリットが一切ありません。
よって最も理想的な形ですが、体力・精神力ともに求められるため、返済の道半ばで挫折する人が多いのも現実です。

1番高かった1社を完済して余裕ができたので、自転車操業から脱出することができました。
(パートの女性・30代)

結局は正社員の仕事と夜のアルバイトを掛け持ちして、5年ほどかけて完済した。
(会社員の女性・30代)
また金融機関にもよりますが、相談することで利率を下げてもらえる場合もあります。
ムリのない金額でスムーズに返済していくことができればそれに越したことはありません。
しかし、自力で返済することが困難な方々は、債務整理という手段を取られることが多いようです。
おまとめローンで借金一本化
おまとめローンによる借金一本化は、生活上のデメリットもなく、利息を圧縮できます。
そのため、可能であれば検討したい方法のひとつです。
ただし、金融機関の審査は易しくなく、審査通過後も、生活費に困って結局返済できなくなることもあります。
そのため、おまとめローン後の月々の返済が、自分の能力に見合っているかの判断が重要になります。

いまも急な出費があるときには借り入れてしまうのでなかなか減らないのがネック。
どうにもならない場合は債務整理も視野に入れている。
(会社員の男性・40代)
債務整理による法的処理
債務整理をすれば、その後5年以上に渡ってローンが組めなくなる等のデメリットがあります。
しかし、法律家に依頼した時点で手続きが委任されるので、借金の督促は止まります。
おまとめローンなどでは得られない大幅な借金減額も見込めます。
例えば自己破産なら、めぼしい財産を手放すことにはなりますが、借金がゼロになります。
マイホームや車など大きな買い物の予定がない方は、検討してみても良いでしょう。
個人再生という手続きであれば、財産を手放すことなく、借金が最大1/5にまで減額されます。
手続きは煩雑になりますが、弁護士と相談のうえ、慎重に手続きを選ぶようにしてください。

借金だけが残ったが、年齢もあいまって就職できなかった。
市の弁護士会に相談し、特定調停を行った。
毎月の支払金交渉などは裁判所の調停員がやってくれ、4年後に完済することができた。
(自営業の男性・50代以上)

6か月ほどかかりましたが、すべての債務の返済を免除することができました。
(会社員の男性・30代)

3年後には全額返済できた。
(会社員の男性・40代)
このように、借金を返済するにあたっては債務整理を選択した方が最も多くなっています。
また、その時の状況やかかる費用によって手続きにも幅が出ていることがわかります。
債務がすべて免除される自己破産をするにも費用がかかります。
ですが、分割で支払うよう取り持ってくれる弁護士もいるようです。
また過払い金が発生している場合も多いのですが、ほとんどが弁護士費用として支払われることになります。
実際には、手元に残るお金として返ってきたとしても、少額である場合が多いようです。
病気は借金の一番の敵。体調を整えることも、返済への第一歩

やがて自転車操業になったため、きちんと体を治すことに専念した。
その間また借金をすることになったけど、就職して返済を終わらせることができた。
(パートの男性・40代)

悩んだ末に正社員を退職して、退職金で返済した。
(会社員の女性・30代)
病気や怪我によって思うように働けず、お金を借り入れて生活している方もたくさんいます。
そんな方はまず、しっかりと休養をとり、体をきちんと治すところからはじめているようですね。
短期のアルバイトはすぐに現金を貰うことができます。
しかしその場しのぎにしかならず、先行きのある安定した収入には結び付きません。
また安定した収入があったとしても、その後の心身のバランスや健康を大きく害するストレスになることも。
その場合、退職金や保険の満期金などを利用して一括で返済する、という方法もあります。
いずれの方法を選ぶにしても、最終的には「自分の体が資本」ということになりますね。
まとめ:無理のない範囲で返済を。自力がダメならまずは相談窓口へ
今回は借金まみれの生活をしていた方たちや、現在も返済中の方々の体験談をご紹介しました。
借金をするきっかけは些細なことであったとしても、その後すぐお金を借りるクセがついてしまいます。
そして自分ひとりでは抜け出せない状況に陥ってしまう…そんなケースが多く見られます。
返済の難しい借金を減額したり、免除してもらうには債務整理が有効な手段です。
しかし手続きによっては費用がかさんでしまうため、返済状況や収入にあわせて手続きを選ぶことが重要です。
病気・怪我によって収入が得られない場合には、まず体を治すところから。
カードローンでは即金が手に入りますが、やはり一時的な生活費の補填として考えておき、傷病手当金などの公的制度を利用できるときには、積極的に活用していきましょう。