大手の消費者金融から借金ができなくなると、精神的に追い詰められてしまった方は闇金に手を出してしまいます。
多重債務に陥ってしまう人がいる限り、闇金を利用する方もいなくなることはないでしょう。
しかし闇金にはヤクザ・暴力団関係者などの息がかかった業者が未だ多くいます。
なかには、高圧的な取り立てや暴行被害を受けた、という話も少なくありません。
また近年では「ソフト闇金」を自称する無登録業者も増え、その悪質な手口が問題となっています。
これらの被害を避けるためにはまず闇金を利用しないこと、然るべき相談機関へ足を運ぶことが重要です。
また「マグロ漁船」や「タコ部屋」などをはじめとした借金を回収する陰湿な手口についても、このページでご紹介していきます。

2006年のヤミ金融対策法の施行を境に、ヤクザ・暴力団の取り立ては年々ソフト化している傾向にあります。
ネットでもソフト闇金業者を見つけることができます。
いずれも短期間で法外な利息を取る違法な貸金業者ですので、絶対に利用しないようにしてください。
また昔から「借金のかたにマグロ漁船に乗る」と言うことが囁かれています。
しかし現在では1年間海上で過ごしたとしても、収入は多くて500万円前後に留まることとなっています。
しかし強制労働を強いられる「タコ部屋」については現在でも実在するというウワサが後を絶ちません。
詳細は本文を参考にしてください。
ヤクザの取り立ての手口|法改正とソフト闇金の登場
まず、闇金業者は大きく分けて次の3種に分類されます。
- ヤクザ・暴力団関係者が経営する貸金業者
- ヤクザ・暴力団関係者の息のかかった一般人による経営
- 一般人による経営
そしてその取り立て方法といえば、かつてのテレビドラマや映画などでよく見たような…
- 高圧的な取り立てや身体への暴行
- 扉を破壊して自宅へ押し入る
- 近所にあることないことを言い触らす
- 大勢で職場にまで押しかける
こうした債務者を徹底的に追い詰める借金の取り立てが横行し、深刻な社会問題となりました。
現在と同じく、闇金融業者にはヤクザ・暴力団関係者の息がかかっていることが多かったのです。
結果として、債務者たちの多くが経済的、精神的な困窮を強いられることになります。
そこで2006年に、ヤミ金融対策法(貸金業者規制法及び出資法の一部改正法)が成立しました。
ヤミ金融対策法により、高金利での貸付、無登録営業や違法な取り立て行為に対する罰則が大幅に引き上げられることになりました。
この罰則には5年以下の懲役、1000万円以下の罰金刑なども含まれています。
この法律の施行によってヤミ金業者たちは従来通りの貸付を行うことができなくなりました。
そればかりか、法外な利息や取り立てから、利益を得ることが難しくなったのです。
参考:http://www.fsa.go.jp/ordinary/yamikin/
ソフト闇金の登場と現在の取り立ての手口
この法律の施行を境に、「ソフト闇金」と呼ばれる金融業者が出現することになります。
「ソフト闇金」とはその名の通り、国へ申請、業者登録していない闇金業者であるにも関わらず、取り立てや金利が比較的ソフトな悪徳業者のこと。
従来通りの取り立てや法外な利息で運営していれば、当然債務者は警察に駆け込むことになります。
実際「闇金などで被害を受けたらすぐに通報」というのは、多くのメディアやサイトで第一に取り上げられている対処法です。
法改正により厳罰化された罰則を受けることになれば、利益を生むどころか大きな痛手になり、経営を続けることも困難になることは明白です。
このため闇金業者は大手金融業者と同じく金利を低めに設定。
さらに返済期間に若干の猶予を設けるなど、法律の網に引っ掛からないよう態度を軟化せざるを得なくなったというわけです。
ソフト闇金は堂々としていますが、闇金です
現在も「ソフト闇金」で検索をかければ大量の業者がヒットします。
ですが、ソフトだからといって決して利用することのないようにしてください。
一般的にソフト闇金では、10万円程度までの小口貸付が多くなっています。
しかし「1週間周期で20%の利息」「別途手数料が引かれた振込金額」などが掲載されています。
特に「1週間周期で20%」は完全に違法行為です。
また「ソフト」と謳っていても、闇金は闇金です。
以下のような手口で、債務者からお金を毟り取ろうとしてきます。
- 返済が行われないのであれば態度が硬化
- 厳しい取り立て
- 家族や友人、周囲への嫌がらせ
- 別のソフト闇金からの借り入れを強制してくる
「親身に対応」「他に借り入れられるところがないなら」「ソフト闇金なら安心」
こんなふうに謳っているようなサイトは、彼らから報酬を貰って運営している業者の可能性があります。
上記のような被害に遭うことを避けるためにも、ソフト闇金を利用することは絶対にやめてください。
参考までに、こちらのページでは闇金の追ってと戦った方たちの体験談をまとめています。
⇛闇金解決体験談。闇金から借りてしまった後、生きのびた20人の声
マグロ漁船やタコ部屋送りは実在するのか?
闇金からの貸付を受け、返済が滞ると「マグロ漁船に乗せるぞ」という脅し文句を言われる…。
テレビドラマや映画などでは印象深いシーンですよね。
しかし、このようなマグロ漁船やタコ部屋などといった都市伝説めいた話は果たして実在するのでしょうか。
マグロ漁船は実在する
マグロ漁船はもちろん実在していますし、探せば求人広告を出している会社も見つけることができます。
企業によっては、借金返済を目的に乗組員を募集していることがあるようです。
しかし最近ではめっきり減り、ごくまれに年齢制限をかけて求人を出していることのほうが多いようです。
FNSのサプライズ企画!
マグロ船の漁師として放送されスタッフの皆さん並びにAKB48の皆様に心から感謝しております。
気仙沼への貢献
マグロ漁船の悪いイメージを変えることができるのであれば、幸いです。
僕はこれからも頑張り続けますので、応援よろしくお願い致します pic.twitter.com/dUSyYFaCD3
— 瀬戸山 郁人 (@engineer0329) March 22, 2017
2017年3月に放送されたFNS春の歌祭りでは、マグロ船の漁師として成人した男性が紹介され話題になりました。
彼はこのあと11か月を海上で過ごすことになります。
長期間に渡る海の上での生活、漁を続ける過酷な環境に置かれることになるのでしょう。
それでも、「マグロ漁船=借金返済に悩む人々が乗る」というイメージを覆す大きなきっかけになったようです。
マグロ漁船はいまでも高収入なのか?
古くから借金返済の代名詞として扱われていたマグロ漁船。
現在でも高収入を得ることができるのでしょうか。
借金返済を目的にマグロ漁船乗る場合には、通常1年間海の上で過ごすことになります。
以前であれば年収にして1000万を以上得られると言われていました。
しかし現在は500万円前後に落ち着いてしまっています。
確かにこの金額は通常のアルバイトやパートで稼げる金額よりも大きなものです。
ただ現在では海外諸国でもマグロの水揚げが活発になっている影響もあってか、乗組員の収入は多くても360万円程度とも言われています。
生半可な覚悟では臨めない職業
海上生活中の健康管理を含め、いつ海に落ちて命を落としてしまうかもわからない危険な仕事です。
そうしたリスクを考えても、最終的にマグロ漁船に乗ればいい、という考えは捨てたほうがよいでしょう。
また漁経験のない完全な素人を乗せることは、乗る側としても、受け入れる企業側としても、ほとんど利がありません。
もちろん彼らが生きて帰ってくるかどうかもわかりません。
貸金業者や債権回収会社としても旨味はなく、帰ってきたとしても借金が返済されるかどうかはわかりません。
よって闇金やヤクザに強要されてマグロ漁船に乗せられる、ということは現在ではあまりにも古い考えだと言えるでしょう。
タコ部屋ってなに?
タコ部屋とは「タコ部屋労働」といい、労働者を長期間タコ部屋と呼ばれる部屋に監禁、強制的な肉体労働を強いることを指します。
古くは明治時代、北海道の開拓するための労働者を古ぼけた小屋に押し込めて生活させていたことが由来しています。
現在でも表だって取り上げることはありませんが、タコ部屋労働は存在していると言われています。
特に闇金からの返済が困難になった方が連行され、男性ならば土木作業、女性ならば風俗店などで働かされるケースが多いようです。
タコ部屋のエピソードは数知れず、真偽不明
ネットなどでもタコ部屋に入ったエピソードはたくさん読むことはできます。
しかしいずれも真偽は不明、実話であるかも定かではありません。
しかし闇金に借金を作ってしまっている方はすでに多重債務に陥り、冷静な判断力が失われていることも多いです。
そのため「何がなんでも返済しなくてはいけない」という強迫観念に陥り、強制労働を強いられても無理はないと思い込んでしまうのです。
そうしてどれだけ懸命に働いても、手元に入るお金はゼロに等しく、まさに漫画やアニメで見るような労働地獄であることは間違いありません。
闇金には返済する必要がない
「借金はなんとしても返す」というのが一般の考え方です。
しかし闇金やタコ部屋はその常識に付け込んで法外な利息を取ったり、いつ終わるかもわからない借金返済のための労働を強いたりします。
しかし、2008年6月に最高裁で、「著しく高額な、違法な貸付をした業者の元金は返済は不要。また支払った利息を含めて損害として取り戻すことができる」という判決が下りました。
これにより、元々返済する気のない借り入れである場合以外は、闇金から借りたお金を返済する必要はなくなりました。
従って、タコ部屋に入って労働しながら借金を返していく必要もありません。
ただこれらの元金返済不要はヤミ金融だけに当該しますので、大手の消費者金融から多額の借金がある場合には債務整理などの手続きをとるようにしてください。
参考:http://www.zenso.or.jp/wp-content/uploads/jacas123.pdf
借金の相手が暴力団だとわかったら、すぐに警察に連絡を
冒頭でもご紹介したとおり、闇金業者の中にはヤクザ・暴力団が絡んだ業者が潜んでいます。
もしも業者が指定暴力団であることが確認できれば、警察は検挙に向けて本気で乗り出してくれます。
例えば業者の名刺や代紋などの証拠があれば、警察はすぐに捜査をはじめてくれるでしょう。
さらに貸金業法で禁止されている「複数人での取り立て」が行われている場合、リアルタイムで通報することが望ましいとされています。
通報したことが業者にバレてしまうと取り立て人は逃げてしまいますので、察知されないようこっそり通報しましょう。
危険な時こそ証拠を残そう
しかし違法行為をしたという証拠がなければ、現行犯逮捕に至らず、職務質問しただけで業者をすぐ帰してしまうこともあります。
それまでに違法な取り立てを受けている場合や、身の危険を感じた時には必ずその証拠を残しておきましょう。
捜査の際に証拠となるものの例
- 業者の名前が書かれた名刺や書類、電話番帽
- 度重なる着信履歴がわかるもの
- メールやメッセージのスクリーンショット
- 取り立て時や通話、留守電メッセージの録音
- 貼り紙や送付された請求書
- 家や物品が壊された場合はその現物や社員
特に業者の名前などが記載された「業者が特定できるもの」は重要な証拠です。
貼り紙や電話番号、手続き書類や名刺などは破棄せず、必ず残しておきましょう。
まとめ:取り立てはいまなお陰湿。闇金には絶対関わらないで
このページでもご紹介したように、ヤクザや暴力団がかかわっているヤミ金融のやり口は悪質かつ陰湿です。
今でこそ借金返済のためにマグロ漁船に乗る、というようなことは殆どないものの、タコ部屋は今でも実在しているというウワサはあとを絶ちません。
まずは借金をしないこと。
すでに闇金から借り入れてしまっている場合には、それを返済する必要はないということを覚えておくようにしてください。
大手の消費者金融から借金をして、そのために闇金から借り入れてしまった…。
そうした場合には、闇金に強い弁護士に相談のうえ、然るべき処置を取りましょう。