親や兄弟はもちろん、パートナーにも借金のことを秘密にしている…。
そんな方は誰にも相談することができず、経済的に苦しいなかで地道に返済していかなければいけませんよね。
やがて借りては返すの繰り返しになってしまうと、自分の力だけでは到底返済できない金額に膨れ上がってしまうこともあります。
そんなときは債務整理が有効な解決策として挙げられます。
でも、家族にバレるのが怖いし、迷惑をかけるのが心配でできない…。
そう不安に苛まれる方も少なくありません。
ここでは債務整理を行った方に調査協力をお願いし、アンケートを実施しました。
どうしても家族に相談できなかった理由や、誰にもバレずに債務整理を行うためのポイントなどをご紹介しています。

債務整理を決意するきっかけは様々ですが、家族にバレてしまうことを懸念する方は少なくありません。
家族にバレないよう債務整理の手続きを進めるポイントは以下のとおりです。
- 弁護士・司法書士に「家族にはバレないように」と強く伝える
- 郵送物の送り先・電話連絡などの時間をこちらから指定しておく
- できるだけやり取りが少なく、やり取りをしてもメールなどでできる専門家を選ぶ
詳細は本文を参考にしてください。
債務整理を家族に内緒にしたい理由は何?
借金を減額したり、支払い義務を免除するために、債務整理という方法を利用する方は少なくありません。
平成27年度では自己破産件数は71533件、小規模個人再生は7798件。
総量規制の影響からか年々減少傾向にあります。
参考:http://www.courts.go.jp/app/sihotokei_jp/search
また、裁判所が関与しない任意整理は統計データがありません。
しかし年間数百万件以上行われているとも言われています。
デメリットの少ない債務整理の方法として利用されることが多いようです。
実施したアンケートでも任意整理をした、という方が最も多くなっています。
次いで自己破産、個人再生、特定調停という順番になりました。
ここでは手続き別に、債務整理をしたきっかけや、家族に相談できなかった理由をご紹介していきます。
任意整理を内緒でしたケース

離婚の可能性もあったので、まったく相談することができませんでした。
(30代の女性・パート)
自己破産を内緒でしたケース

自分が自由に遊びたいがために借金をしていましたので、家族には口が裂けても言えませんでした。
(40代の女性・パート)
これらの理由の他にも、以下のような回答がありました。
- 妻を含めて家族のだれも借金のことを知らなかった
- バレると怒られると思い、怖くて話せなかった
- 家族にだけはバレたくなかったので、すべて自分だけで決めた
やはり借金について相談するとなると、近しい人であればあるほど話しにくいことですよね。
さらに、ギャンブルや浪費など同情の余地が少ない理由であればあるほど、家族には内緒にしておきたいようです。
また借金が清算できないのなら離婚する、という事態に発展してしまうケースも少なくありません。
とにかく自分ひとりの力で手続きを終わらせたい、と考える方が多いようでした。
ここがポイント!債務整理がバレた理由、バレなかった理由
ここまで見たとおり、債務整理は個人の努力次第で、家族にはバレずにやり通せることがわかります。
ただ、同居家族に全く知られずに、債務整理を遂行するためには、幾つかのコツが必要なようです。
ここで、家族に黙って債務整理を終わらせた方の成功談、失敗談を交えてそのコツをご紹介していきましょう。
- 電話連絡は個人の携帯にしてもらうことを徹底
- 郵便物は個人名で送付。私書箱を借りるという方法も
- 最後の一歩でバレることもある。詰めは怠らないこと
電話連絡は個人の携帯にしてもらうことを徹底
まず、バレないための基本中の基本。
弁護士など代理人からの連絡は、すべて個人の携帯電話宛にしてもらうことです。
債務整理依頼した時点で、金融業者からの連絡は止まります。
借金関連で電話連絡があるとすれば、代理人からのみです。
秘密厳守については、どの法律家も協力してもらえるので、問題ありません。
さらに、平日日中など、家族が出かけている時に連絡をもらうようにしておけば、万全ですね。
郵便物は個人名で送付。私書箱を借りるという方法も
電話の次に気をつけたいのが郵便物です。
といっても、こちらも事務所名ではなく、弁護士個人の名前で送ってもらうようにお願いすれば、問題なしです。
また、時間指定の配達も可能なので、自分だけが受け取れる時間を指定すれば、さらにバレにくいです。
それでも勘のいい家族にバレないようにしたいという方は、郵便物を郵便局留めにする、私書箱を一定期間レンタルするという方法もありです。

(30代の男性・パート)
詳しくは、日本郵便のホームページを御覧ください。
参考:https://www.post.japanpost.jp/service/sisho/index.html
メールでやり取りできる場合には積極的に利用しましょう。
電話、郵送よりも、メールのほうが遥かにバレにくいですね。
債務整理を依頼する法律事務所が、ある程度ITやデジタルに精通しているかどうかも最初に確認しておきたいところです。
最後の一歩でバレることもある。詰めは怠らないこと
このようにまったく家族にバレることなく、債務整理を完了させた方々もいる一方で、最後の最後でバレてしまった…という方もいました。

ですが、最後に弁護士さんから依頼終了の通知が郵送されてきて、それを家族に見られてしまいバレてしまいました。
(40代の女性・パート)
残念ながらバレてしまった方も含めて、ほとんどが「連絡や郵送物による家族バレの防止」を重視していらっしゃいました。
弁護士側も守秘義務があります。
バレないようにとお願いすればきちんと対応してくれる方がほとんどです。
回答いただいたところから、注意すべきポイントが見えてきました。
- 弁護士・司法書士に相談、依頼をするときには、「家族には秘密」であることをきちんと伝える
- 郵送物や電話連絡には細心の注意をする
- メールでやり取りできる場合には積極的に利用する
内緒にしておきたいなら、任意整理が確実
どうしても家族にバレたくない!そんな方には任意整理がオススメです。
任意整理は基本的に弁護士とのやりとりのみで手続きが完了します。
上記のように弁護士に直接「秘密にしてほしい」と言えることもあり、融通の利く方法です。
しかし、自己破産や個人再生などは裁判所が挟まる手続きです。
どうしても用意すべき書類は増えますし、やりとりに関しても多くなりがちです。
さらに「破産手続き完了」に関する通知だけは必ず書面で送付されます。
「それまでバレなかったのに、最後の最後でバレた…」
そんな方の多くは、この通知が原因となっていることがほとんどです。
では、任意整理でも家族バレしてしまうことはあるのでしょうか。
任意整理でも家族バレする3つのケース
それでは、任意整理が家族にバレてしまう3つのケースについて詳しく見ていきましょう。
- 家族に保証人がいる場合
- 債権者に訴訟を起こされた場合
- 給料が差し押さえられた場合
家族に保証人がいる場合
任意整理の対象とする債務の中に、家族が保証人となっているものを含めていませんか?
特に夫や妻、家族に保証人が要る場合は要注意です。
債務者本人が債務整理を行うと、債権者は保証人に請求を行うようになります。
債権者からの請求書が届くのは変わりません。
でも、宛先が変わっていれば当然気が付いてしまいますよね。
家族に任意整理がバレたくないという方は、任意整理の対象とする債務の中に保証人がいないかどうかよく確認してください。
債権者に訴訟を起こされた場合
弁護士に任意整理を委任し、債務の交渉を任せると、債権者からの取り立てはなくなります。
しかし、任意整理はあくまでも司法機関を通じた法的な交渉ではありません。
差し押さえが禁止されるわけでもありません。
任意整理交渉中も債権者は訴訟を起こす権利があります。
任意整理依頼後、訴訟を起こされると、ある日突然裁判所から訴状を送付されることになります。
家族に郵便物の回収を頼んでいる方はかなり危険だと考えたほうがよいでしょう。
給料が差し押さえられた場合
任意整理中に訴訟を起こされ、債権者が勝訴した場合、給与などの財産を差し押さえられるケースがあります。
給与が減額されれば、当然日常生活に影響が及びます。
また差し押さえの事実は職場にも伝わりますので、肩身の狭い思いをしてしまうことになるでしょう。
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ローンが組めないことでバレることも。本当の家族バレは、債務整理後にやってくる
先に確認したとおり、家族に債務整理の事実がバレることは、努力次第でなんとかできることが多いです。
しかし、債務整理を行うと、個人信用情報機関に5年以上事故情報が登録されることになります。
新規でクレジットカードを作成したり、ローンを組もうと思っても審査に通らず、それが原因で債務整理のことがバレてしまう場合があります。

それさえクリアできればバレません。
ただ整理後は、借入やローンが組めない為要注意です。
(30代の男性・会社員)
誰にも内緒で債務整理を行ったあとにも、ふとした瞬間から、家族に気づかれることもあります。
きちんと気を配って生活することが重要ですね。
まとめ:きちんと伝えれば大丈夫。家族バレずに債務整理
やはりお金の問題は、生活を共にする家族には一番相談できないものです。
しかし債務整理の手続きは個人では困難で、誰かに相談して進めていきたい…と考える方が多いです。
どうしても一人で済ませてしまいたいときには、その旨をきちんと担当の弁護士に伝えようにしましょう。
また債務整理が無事滞りなく終わったあとも、数年間はクレジットカードを作ったり、ローンを組むことができなくなります。
破産申立のときには十分注意してください。