きらびやかなブランド品の数々。
バッグや時計、衣服やアクセサリーなど、あれもこれもと身に着けていたらキリがありません。
それでも、がんばったご褒美として購入するとやけにスッキリします。
最近はツケ払いやNP後払いサービスもあって、とても便利ですからね。
ですがそれらをどんどん買い漁ってしまい、やがて借金をしてまで買い回るようになった…。
そこまでいくと、買い物依存症の域に達しています。
- 買う予定もないものを衝動買いしてしまう
- お金を借りてまでブランド品を買い集めてしまう
- 多額の負債を抱えてもなお止められない
こういう場合には、きちんと対策を取る必要がありますし、場合によっては治療が必要になります。
ここではブランド品の買いすぎで借金の返済ができなくなってしまった場合の対応策についてまとめていきます。

買い物をやめられない場合、「買い物依存症」という精神疾患である可能性が高いです。
これは男性の陥りやすい「ギャンブル依存症」ととてもよく似ています。
原因としては日頃のストレス、幼少期の経験やトラウマによる孤独感や、自己評価の低さなどが挙げられています。
買い物依存症には治療が必要です。然るべき医療機関にかかる必要があります。
またすでにこの依存症により借金を抱えているような場合には、以下のような解決策が考えられます。
- おまとめローンを利用する
- 債務整理を行って負債を解消する
詳しくは本文を参考にしてください。
ブランド品依存症とは?買い物依存症の原因と恐怖
ブランド品を買いすぎてしまう。
ブランド品だけにとどまらず、必要ないものも「欲しい!」と思ったらすぐ購入してしまう。
とにかく、買い物に関して全く自制できない…。
そういった症状は「買い物依存症」というれっきとした精神疾患の一つです。
男性はふとしたきっかけからギャンブル依存に陥ることが多いです。
これと同じく、買い物依存症は、主に女性が、日々のストレスが原因で発症することが多い病気です。
発症すると、物欲を充たすことで快感を得て、それを何度も繰り返し習慣化。
やがて借金をしてでも買い物をしてしまう…というループに陥ります。
安易に否定せず、自分の症状を自覚すること
ブランド品を買いあさる女性を見て、周囲の人はこう言います。
- 「借金してまで買うなんておかしい」
- 「見なければいい」
- 「やめればいい」
そうやって投げやりに言うのは、誰にだってできる簡単なことです。
しかし、そんなことはとっくに本人も気が付いています。
今日こそやめたいと思いながらやめられず、買い物を終えてから大きな罪悪感に苛まれ、それでもまだやめられず…。
パチスロなどにハマってしまった方が、借金をしてまでギャンブルをしてしまうギャンブル依存症と同じです。
一時的にイヤなことを忘れられるため大きな買い物をする、というのが買い物依存症の本質なんです。
満足感でストレス解消…これが常習化すると買い物依存症に
誰であっても、買い物をすると、なんだかスッキリしますよね。
その買い物が高額になるにつれ、「私はこれだけのものを買ったんだ」という満足感が大きくなります。
この時脳内でもドーパミンなどの神経伝達物質が分泌され、異常な高揚状態に陥ります。
その結果、「もっと高い買い物をしたい」という衝動からブランド品などに手をつけてしまうのです。
そのため、買い物依存症の治療には周囲の理解が必要です。
さらに、自分自身で「これは病気なんだ」と自覚し、改善に取り組む必要があります。
買い物依存症の原因…依存症にはきちんとした治療が必要です
ブランド依存症、買い物依存症の原因には以下のようなものが挙げられます。
特に、自己評価の低い方や、他人からどう見られているかよく気にする方は注意が必要です。
真面目で、甘え方を知らないまま社会人になってしまった方などが、買い物依存症に陥る傾向にあります。
高額な商品で自分を着飾ることで、そうした注目を集めて自分を認めてほしい、という気持ちがあるのです。
「そんなことしなくても…」と思うかもしれませんが、当人たちにとってはとても重要なことなんです。
また、「ネット通販がやめられない」というのもれっきとした症状のひとつです。
クレジットカードによる通販購入の簡略化も、買い物依存症の一端を担っています。
さらに実際に金銭をやり取りするわけではないことから、商品を購入しているという感覚が薄れてしまいます。
専門の医療機関にかかり、根本的に治していく
薬物やギャンブルと同じく、買い物依存症は立派な病気です。
ただし、自分が買い物依存症である、ということを自覚することはなかなか困難です。
さらに、たとえ自覚できたとしても、誰かに告白するには勇気が必要です。
勇気を持って告白したとしても、「じゃあすぐに買い物をやめればいい」と一蹴され、相手にされないことがあります。
また心無い批判を浴びてしまい、そのことが原因でさらに症状を悪化させてしまうこともあるほどです。
「自分でもわかっているのにやめられない」…まさにギャンブルや薬物と同じ状態ですよね。
しかし、同じ境遇にある人々と話したり、カウンセラーに相談することで、ある程度克服することは十分可能です。
根本的に買い物依存症を克服したいのであれば、全国の依存症の治療を専門にしている医療施設にかかるべきでしょう。
また家族や友人など、周囲の充分な理解も必要です。
1日2日では理解されなくても、何年もかけて理解してもらえるよう働きかける方も少なくありません。
ギャンブル依存症と同じく、自分ひとりの力だけでは治し難い病気です。
まずは勇気を出して、病気を治すことを考えてください。
ブランド品を買いすぎて借金が返せないときの対応策
ブランド品依存症の克服にはカウンセリングを受けたり、専門の病院に行くことが重要とご紹介しました。
しかし、「そんなお金はもうない!」というほど借金を重ねてしまっている方は少なくありません。
例えば、すでに借金地獄に苦しんでいたり、多重債務状態で生活がままならないようなとき…。
人によっては、その状態に応じた措置を取っていく必要があります。
それでは、ブランド品を買いすぎて借金をしてしまい、返済できなくなってしまったときの対応策について考えていきます。
まずは借金を清算。債務整理という方法について知っておくこと
現在抱えている借金に頭を悩ませている場合は、以下のような方法で解消していくことができます。
- ブランド品を売却し、返済に充てる
- おまとめローンを利用し、借金を一本化する
- 債務整理で借金を減額、もしくはゼロにする
売却は慎重に行いましょう
ブランド品を売却する、というのは依存症の方には本当に難しいことです。
また第三者が勝手に売却してしまえば、心身に異常をきたし、不和のトラブルに繋がる原因にもなります。
ブランド品を売るときには症状の程度を確認し、本人と合意したうえで行うようにしてください。
おまとめローンは本当に得かどうか見極めて
おまとめローンを利用すれば、複数の金融業者からの借金を一本にまとめることができます。
ここで、おまとめローンのメリットとデメリットを確認しておきましょう。
おまとめローンに成功した体験談はこちら
ただし、消費者金融系のおまとめローンは高金利の場合が多く、まとめるメリットはあまりありません。
しかし銀行系のおまとめローンは低金利で、それまで支払っていた月々の返済額を大きく減額させることも可能です。
また返済先がおまとめローンだけになりますので、返済先や借金の管理もかなり楽になります。
ただし、借入額や返済期間によっては、トータルで見ると損をしてしまうことになる場合もあります。
ローン会社ときちんと相談したうえで契約するようにしてくださいね。
債務整理の種類って?取るべき手続きとは
多額の負債を抱えてどうしようもなくなっているときには、弁護士や司法書士に相談したうえで、債務整理を依頼してください。
債務整理には、自己破産や個人再生、特定調停、任意整理などの方法があります。
基本的には自力で返済できないような額であれば自己破産を。
またいまの返済を続けて、3年以内に返済できないようであっても自己破産を選ぶべき、とされています。
それ以外の場合や、今後の収入で充分返済していけそうな場合は、個人再生、特定調停、任意整理のいずれかを選択します。
浪費の場合は免責不許可事由になる?自己破産における裁量免責とは何か
しかし、ブランド品の購入が理由での自己破産は「浪費」と見做されることがあります。
この場合、免責不許可事由として自己破産が認められない、ということも考えられます。
他にもギャンブルなどで借金をした場合にも、免責不許可事由として扱われることがあります。
ただし、「裁量免責」といって、その人の事情や経緯に配慮し、自己破産が認められないということは殆どないとされています。
心配なときには、その旨を弁護士に相談したうえで手続きを決めていくようにしましょう。
他人の手を借りて、ブランド品から距離を取ってみる
債務整理を行って、やっと借金を清算した…。
しかし、ブランド品で部屋が埋め尽くされてしまっているような状態であれば、依存症を自力で克服するのは困難です。
もちろん出費を抑え、ショッピングに関わるものを遠ざけることは重要です。
しかし、急激な生活水準の変化は心身に異常をきたし、さらなるストレスとなる場合があります。
まずは少しずつ、身の回りにあるブランド品を減らしていきましょう。
自分の手では難しいと判断したら、家族や信頼できる友人にお願いするのもいいかもしれません。
まずは日々の生活にブランド品があるのが当たり前、という生活を見直していきましょう。
自分で売却できないと感じたら、家族に頼んで売却してもらうことも一つの手です。
簡単な家計簿アプリを使って収支を記録することも、症状改善の手立てのひとつです。
「毎日、どんなことに、どれだけのお金を使っているのか」
これを理解するだけで大きな進歩になります。
他にストレスを解消できることを見つける
「買い物しなければいい」とは、簡単なこととようで実は難しいものです。
ネットはもちろん、少し外に出るだけでも、購買意欲を刺激するものは至るところにあります。
日常生活を送るうえで、ショッピングを完全にシャットダウンすることは不可能です。
買い物依存症の方は「孤独感や承認欲求が満たされないことによるストレスの発散=ショッピング」というのが常に頭の中にある状態です。
目についた商品が、自分の生活にどんなに必要のないものであっても購入してしまいます。
このようなストレスに強い体作りに重要なこととしてよく挙げられることといえば…。
たとえば、良質な睡眠、栄養バランスの整った食事、適度な運動やストレッチなどです。
しかし、これらは毎日実践していくにはなかなか続きにくいものですよね。
仕事や家事との兼ね合いによっては、あっという間に生活リズムが崩れてしまいます。
それでは、ブランド品を購入する以外に、ストレスや孤独感を解消する手立てはないのでしょうか。
例えば、こんなことはストレス発散にはならないでしょうか?
- 音楽を聴く
- 絵を描く
- 漫画を読む
- 映画を見て号泣する、大笑いする
- お風呂にゆっくり入る。半身浴をする
- カラオケで大声を出して歌う。とにかく声を出すこと
- 簡単な料理をする。誰かに食べてもらい、感想をもらう
- 部屋を掃除する、模様替えをする
ブランド品という高額な買い物をしなくても、もっと簡単にできるストレス発散方法は実はたくさんあるのです。
その中から自分に合ったものを見つけるのは大変です。
しかし、友人の助けや家族の協力を得ることで、また一歩改善に近づけるはずです。
まとめ:借金を解決したら、根本的な治療をはじめましょう
ブランド品、買い物依存症の完治は難しく、自力で克服するにもなかなか改善することのない病気です。
このページではストレスの発散方法や、依存症にともなってできる債務整理の方法などをご紹介してきました。
いずれにせよ親や家族、友人などから理解を得て、サポートを受けることが重要となります。
ただ近親者ほど理解が得られず、どれだけ症状を訴えても「甘えだ」と断じられてしまうおそれがあります。
もしもそのように協力が得られない場合には、すみやかに専門の機関(弁護士事務所、医療機関など)に相談し、助けを求めてください。
あなた以上にあなたのことを分かってくれる人はいないかもしれません。
けれど、少なくとも症状に理解のある方がきちんと対応してくれます。
ひとりで悩まず、必ず解決する借金問題から、まずは相談するようにしてくださいね。