自分に借金はなくても生涯のパートナーとして選んだ人が、実は多額の借金を抱えていた…。
これは誰しもに起こり得るかもしれない事態です。
そして結婚後も借金を積み重ねて、その尻拭いに妻が奔走する…。
ドラマなんかでもよくある話ですよね。
借金をする理由は様々ですが、すでに借金がクセとして身に染みついてしまっている場合は危険です。
口論や暴力に発展してしまうケースに結びついてしまうこともあります。
また借金理由の多くやギャンブルや夜遊びであることもあり、依存症となっている場合には治療が必要になるケースも少なくありません。
ここでは、夫の借金癖で生活に苦しんだ経験のある女性10人にアンケート調査を行いました。
借金額やその理由、どのように返済したかなどをまとめてご紹介していきます。

アンケートに答えて頂いた方10人のうち、9人もの方が「夫の借金癖の原因はパチンコなどのギャンブルによる散財」だと回答されました。
またコメントの中にはギャンブル依存症と思われる症状が見られました。
いずれも克服することはできますが、例え通院したとしても完治することはありません。
夫の借金癖と向き合っていく場合、以下のような改善策が考えられます。
- 自分で支出を管理、夫の給与も管理する
- ギャンブルができるような余裕のある市お金を持たせない
- ギャンブルについて勉強する、させる
- 他に趣味を見つけてみる
- 日々の生活からギャンブルを排除する
またすでにギャンブルや借金がエスカレートし、どうしようもなくなってしまっている場合には、きっぱりと離婚することをも視野に入れてください。
詳細は本文を参考にしてください。
夫が借金を繰り返す理由とは?
旦那の借金が発覚した場合は、まずその借金の原因を確認します。
- なぜお金を借りたのか
- 本当に借りなくてはいけないような状況だったのか
- 借りた原因を取り除くことができるのか
この3点について旦那と話し合いをしながら、確認をすることから始めましょう。
お金を借りた理由が小遣いの少なさや、避けられない会社の飲み会などであるなら、旦那の小遣いなどの見直しをして、できるかぎりお金を借りなくてもいい環境を整えてください。
借金癖がある場合は、根本的にお金を借りられない環境を作ることから始めます。
クレジットカードやキャッシュカードは持たさないこと、借金の返済も含めて、お金の管理は妻が行うようにしてください。
不満が出るかもしれませんが、お金を自由に扱える状態だから借金をしてしまいます。
まずはお金を借りられないようにすることが重要です。
また夫は、妻に黙ってカードローンを利用するということもできます。
勝手に借りた場合には離婚すると伝え、必要以上にお金を使わせないようにしましょう。
ただし、厳しく管理するだけではなく、本当にお金が必要なときは渋らずに渡して、お金を管理されていることにストレスを感じさせないように注意してください。
返済そのものは妻がきちんと管理して行えば、それほど難しいことではありません。
夫の給料の中からコツコツ返済してください。
借金理由の多くがギャンブル・パチンコ
話を伺った10人のうち、なんと9人の方の借金理由が「パチンコ・ギャンブルなど遊ぶ金欲しさのため」と回答しました。

それでもパチンコで散財してしまい、生活費が足りなくなっては借金をしています。
借りては返しの繰り返しで、返済が追い付いていない状態です。(30歳)

なかなか聞き入れてくれないので、最近はもう諦めかけています。(43歳)
ひとくちにギャンブルといっても、身近にあるパチンコ・スロットだけではありません。
- 麻雀や競馬、競艇や飲み代などの遊興費
- スマホアプリへの課金
- 年収に見合わない自動車の購入
このような散財を繰り返しては借金を繰り返してしまうため、生活が苦しくなりまた借金をする…という悪循環が起こってしまっているようです。
こうした状況にふまえ、「ギャンブルなしでは生きられない」「お金を借りてでもギャンブルをしたい」というときには、ギャンブル依存症を疑う必要があります。
ギャンブル依存症は精神疾患です
ギャンブル依存症とは、賭け事のせいで借金などを抱え、生活が破綻しているにもかかわらず、賭け事がやめられない症状のことです。
正式にはギャンブル障害、病的賭博と言って、精神疾患としてきちんと定義されています。
また、ギャンブル依存症の原因の8~9割がパチンコ・パチスロだと言われています。

アンケートにもこのようなコメントがありました。
ギャンブル依存症の方の多くが「ギャンブルで大勝ちすれば、いま抱えている借金や生活苦を一気に解消できる」と考えています。
ギャンブル依存症は精神疾患ですし、治療には通院が必要です。
しかし完治するものではなく、自力で治療しようとすればふとしたきっかけで再発してしまうおそれがあります。
借金癖の原因がギャンブルであった場合、依存症に陥っている可能性が極めて高いと考えられます。
依存症は放置すればするほど重症化してしまいます。
すみやかにギャンブル依存症専門の精神科へ相談するようにしてください。
旦那の借金は妻に返済義務はあるのか
旦那の収入や妻の収入もひとつの財布と考えている夫婦もいます。
ですが、基本的には夫の収入は夫の資産で、妻の収入は妻の資産です。
そして借金というのは個人の問題で、夫の借金は夫の収入から返済してくことになります。
このため、たとえ夫婦といえども、旦那の借金を妻が返済していく必要はありません。
もし旦那が亡くなって遺産相続をしたというのでなければ、旦那の借金回収のために妻が請求を受けるということもありません。
旦那の借金は旦那の借金、妻の資産には何の影響も与えないと考えてください。
ただし、旦那の借金に対して妻が保証人になっているケースでは、妻にも返済義務が発生します。
もちろん旦那が勝手に保証人にしたような場合は、その保証人は無効です。
もしそのようなケースが発生した場合は弁護士に相談するようにしましょう。
また、借金の使用用途が「日常家事債務」であった場合にも、返済義務が発生する場合があります。
- 家賃
- 教育費
- 医療費
- 公共料金の支払い
- 生活必需品の購入費用
借り入れたお金の使用用途が上記に当てはまる場合には、「夫婦で借金を使っていた」とみなされます。
ですが例えば、「生活していく上で必要だったが、借金とは知らなかった」という場合もありますよね。
借金癖が抜けない場合は、妻にウソをついてでもお金を借り入れてしまう方が多いです。
このように法的に判断の難しいケースは、積極的に弁護士や専門家に相談するようにしましょう。
借金癖のある夫への対応策|皆はどんなふうに言ってるの?
ただ、アンケートの中にはこんな声もありました。
夫本人もギャンブルは辞めたいのにやめられないというエピソードを紹介します。

病気だと思うから、きちんと診てもらってほしいと言いました。
そうしたら、病院にいく金はない。いまも裕福じゃないし、勝てば大金が手に入るから問題ないと言われ…もう呆れてしまいました。(30歳)
このように、夫にきちんとギャンブルをやめるように言っても、まともに取り合ってもらえないという話がたくさんありました。

私が返済して養っているこの状況を恥ずかしいと思わないのか、と強く話しました。
本人は「反省しているし恥ずかしい。二度とパチンコには行かない。けど、気付いたら足を運んでしまう。どうしたらいいかわからない」と。(32歳)

足りない分はキャバクラで働いて捻出しました。
夫には、ギャンブルはよくないし、昼も夜も働いて体がきついからやめてほしいと伝えました。
でも夫は、「男の付き合いもあるし仕事にも関係する、口出しするな」の一点張り…。(24歳)

夫自身も「自分もそう思うが、ストレスが溜まるとギャンブルに手を出してしまう。それくらいしか楽しみがないし、怒られると思うから借金が膨らんでからしか打ち明けられない」と言っていました。
援助を受けられる、という考えを改めない限り、もう治らないと思います。(40歳)
アンケートに答えて頂いた方全員が、夫の借金についてやめるよう言ったことがあると回答されていました。
しかし、夫側の反応としても「もうギャンブルはしたくない」と考えているのに、つい足を運んでしまう…といったケースが多く見られました。
これもまたギャンブル依存症の特徴的な症状で、患者はギャンブルを楽しんでやっているのではありません。
「もうやめたい」というストレスを解消するためにまたギャンブルをしてしまいます。
そこでさらにストレスを溜めてしまうという恐ろしい状態に陥ってしまっているのです。
他人に迷惑をかけていることは理解していても、ストレスを感じた瞬間にギャンブルを連想してしまい、一向に借金癖を治すことができなくなっていきます。
こうした依存症に関しては然るべき病院にかかるのが一番ですが、アンケートでは最終的にどのような対応をしたのか、様々なお話を伺うことができました。
夫の借金癖を治すための手段はある?
では、夫の借金癖を治す方法のうち、最初にやるべきことをいくつかご紹介します。
話し合いの場をつくり、借金返済計画を考える
とても難しいかもしれませんが、パートナーの借金について一刻も早く話し合いの場を設けるべきです。
パートナーが反省しているようであれば、まずは借金の総額、そして返済額をきちんと割り出します。
また年金・生命保険などを担保にした貸付がないかどうかもきちんと確認しましょう。
その上で現在の収支状態を明らかにして、「あとこんなにある」ということを自覚させます。
具体的な数字を目にすることで、今までどれだけの金額を無駄にしてきたのか、ということをはっきりさせてしまいます。
もちろん、パートナーから高圧的な態度を取られている場合には更に奥の手を使います。
親族に借金のことを話す
パートナーが借金について反省の色を見せていない場合は、迷うことなく親族に借金のことを話しましょう。
借金の事実は、できるだけ誰にも知られたくないものです。
借金が癖になっているのなら、尚の事自分の親には隠したいと考えているでしょう。
特に息子の借金について容認している親は圧倒的に少数ですから、パートナーにとっては大きなプレッシャーとなります。
しかしこの時、相手方の親がパートナーの味方をするおそれがあります。
身の安全のためにも、必ず契約書や利用明細、借金の事実を裏付ける証拠を持参しましょう。
また「嫁なんだからあなたが肩代わりしなさい」と言われても、断固として拒絶してください。
前述したとおり、保証人でない限り、妻に夫の借金を返済する義務は一切ありません。
そのうえで味方をしてくれない場合には、最終手段を取らざるを得ません。
もうやめて!言っても聞かない夫への最終手段
それでは、借金癖のあるパートナーに対し、最終的にはどのような対応をしていけばよいのでしょうか。
- 強制的に借金できない状況を作る
- きっぱり離婚する
- 借金の額が多すぎて返済できないときは債務整理をする
強制的に借金できない状況を作る
まずはパートナーが「ギャンブルをしよう」という考えを改めさせるのではありません。
「ギャンブルがしたくてもできない」状況を作り上げることが大切です。
- 妻側で支出を管理する
- 必要以上にお金やカードを持たせない
- ギャンブルについて勉強させる
- 他に趣味を見つけられるよう具体案を提示する
- 日頃からパチンコ屋を目に入れないようにする
たとえストレスになってしまっても、ギャンブルから強制的に引き離した生活を送りましょう。
そして次第に「ギャンブル=よくないこと・お金と時間を使う恐ろしいこと」という意識を高めていきます。
パチンコやスロットで勝ちながら生計を立てている人は全体の1割とも言われています。
裏を返せば彼らの生活を支えているのがギャンブルに負けている人々なのです。
ギャンブルから離れた生活を送ると同時に、そういったギャンブル業界の仕組みや恐ろしさ、家計がどれだけ圧迫されているのかなどを少しずつでも伝えていくことが大切です。

主人には必要以上にお金を渡さない、クレジットカードやキャッシュカード、借金をしないよう身分証明書の類も一切持たせていません。
またギャンブルで破産した人の話をしたり、ビデオを見せたりしています。
少しずつギャンブルが恐ろしいことだと教えながら、時間の大切さを言い続けています。
あと、パチンコ屋の前を通らないよう通勤ルートを変更したりしています。(32歳)
きっぱり離婚する
「えっ!?」と思われるかもしれませんが、本当に本当の最終手段は離婚することです。
暴力を振るわれている場合は、もちろん早い段階で離婚を切り出してください。
パートナーの借金癖がどのレベルのものなのか判断すること。
ある一定の期限を設けて、それまでに治らなければきっぱり離婚!と意思表示しておくことで危機感を煽ります。
また離婚について反論された場合には、パートナーのご家族に借金癖を話してでも協力してもらいましょう。
それくらい強い手段に出なければ、借金癖を治すことは難しいのです。

ですが、このように反省してくれる大きなきっかけがない限り、なかなか治せるものではないと思いました。
遊興費として借金をつくる人は一生繰り返すだろうと思います。
どこかで期限を決めて、改善しないようならきっぱり別れるべきだと思いました。(24歳)
アンケート調査結果のなかには、夫の借金を自らの収入で返済していた方も多かったです。
きっぱり離婚した、現在離婚前提の別居中であると回答された方もいらっしゃいました。
借金の状況やパートナーとの関係性などにもよりますが、借金癖、ひいてはギャンブル依存症と真摯に向き合うか、きっぱりと見切りをつけて別れるか、の二択になっているようですね。
借金の額が多すぎて返済できないときは債務整理をする
旦那が借りていたお金が数百万円というような莫大な金額だった場合、妻の努力だけではとても返済できないということがあります。
このような場合は債務整理も検討してください。
どれだけ頑張っても返済できない状況で粘っても、意味はありません。
債務整理を行えば、借金問題が解決する以上の成果が得られます。
それはなんとブラックリスト入りすること。
旦那は5〜10年間はクレジットカードも作れず、お金を借りることができなくなります。
多少の不便はありますが、それで生活できないということはありません。
旦那は嫌がるかもしれませんが、このままでは一緒に生活を送ることも難しいことを伝えましょう。
債務整理は本人しかできませんので、家族のためにもまずは弁護士に相談に行くことから始めてもらいましょう。
できれば借金を夫婦の問題と考えて、相談の場には妻も同席するようにてください。
注意したいのは、絶対に肩代わりしないことです。
特に借金癖がある人は、肩代わりをしてもらうと、またすぐに借金を重ねる可能性があります。
自分の借金は自分で返済したり、解消したりして、その責任の重さを感じてもらいましょう。
まとめ:借金癖は完治できない!?返済できない場合は債務整理を
このページでもご紹介したように、ギャンブル依存症は克服することはできますが、決して完治させることはできません。
パートナーにギャンブルによる借金癖が付いてしまっていて、自分の収入だけでは返済が困難である場合には、自己破産や任意整理などの債務整理の手続きを取ったほうがよいケースもあります。
いまも夫の借金癖に苦しんでいる方は、その借金と真摯に向き合い、夫の症状が改善するよう努めるか。
もしくは期限を設けて、それまでに改善が見られない場合にはきっぱり離婚をするか、できるだけ早い段階で答えを出したほうがよいでしょう。