多額の負債を抱え、自分では返済することができない…。
そう判断したとき、まず考えるべきなのは債務整理をすることです。
債務整理には大きく分けて4つの手続きがあります。
なかでも「個人再生」を利用すれば債務を原則1/5にまで減額することができます。
自己破産とは違って車や自宅などの財産を手放さずに行えます。
しかし、裁判所を通して行う分、手続きは煩雑で、デメリットも免れない手法となっています。
今回は個人再生を行った方に独占インタビューを実施。
実際にかかった費用や借金をした理由、個人再生後の返済方法などをインタビュー形式でご紹介していきます。

今回インタビューを受けてくれたWさんの借金総額は400万円、5社からの借り入れでした。
当初は自己破産を考えていたWさん。
相談先の司法書士事務所で「交際費が理由では自己破産が認められない可能性がある」とのことで、個人再生手続きを選択。
約半年間の認可待ち期間を経て、借金が100万円まで減額、月々の返済は3万円以下にまで抑えられる結果となりました。
個人再生のデメリットとして、クレジットカードが作れなくなること、ローンが組めなくなることなどが挙げられています。
良かった点としては、経済的にも精神的にもゆとりある生活を送れるようになったこと。
無理をして返済している方は早めに弁護士に相談するべきだ、とWさんは語ります。
詳細は本文を参考にしてください。
個人再生経験者への独占インタビュー
今回個人再生体験談インタビューを快諾してくれたのは、ハンドルネームWさん。(仮名・33歳)
任意整理や自己破産を選ぶ方が多い中、なぜ個人再生を選んだのか、またその返済方法などについて伺っていきます。
借金の理由と総額、個人再生を選んだワケ






借り入れ先はスルガ銀行、東京スター銀行、信用金庫、クレジットカード会社1社、プロミスの合計5社でした。
借金の理由…交際費としてでは自己破産ができないかもしれない


借金のほとんどは交際費に使っています。


そのため、個人再生のなかでも、給与所得者等再生を選びました。
給与所得者等再生とは
- 給与など、長期間安定した収入を得る見込みが大きい
- 再生計画案による弁済額が引き上げられても、支払える余裕がある
こうした場合に利用できる個人再生の手続きです。
給与所得者再生では、債権者による再生計画案の決議が不要です。
そのため、小規模個人再生案では否決されてしまいそうな場合などに検討します。
個人再生のきっかけと依頼


その際に「○日には支払います」と伝えると、その日までは督促が止みました。
それを毎月繰り返しているうち、数か月後には期限にならずとも督促を受けるようになっていました。
債務整理のきっかけ。妻にバレてしまい、離婚を宣告されたこと


その後、借金を清算しなければ離婚する、と通告されました。
それだけはどうしても避けたいと思い、債務整理を決心しました。
本当は最後までバレずに返済したかったですね。


ただ妻や妻の実家からはひどく叱られ、例えば飲みに行くだけでも大きな制限を課せられるようになりました。
今では何か欲しいものがあっても、許可を貰わないことには購入することができないようになっています。

では、債務整理をするにあたって、依頼はどちらにされたのですか?

個人再生の正式依頼|依頼費用と借金の減額


官報公告費用として1万2,000円、切手代で1200円かかりました。



認可決定までの半年間、家計簿をつけて提出!その他苦労したこと

申請前後に、司法書士から家計簿をつけて提出するよう指示がありました。
それまでは家計簿などつけたこともなく、妻も協力してくれませんでしたから、自分でどうにか作成しました。

認可がおりるまでには様々な制約があった、ということですね。

尚且つ交際費などに利用すると心証が悪くなると聞いていました。
友人や同僚との付き合い方を変えなくてはいけなかったのが一番苦労しました。
付き合いを断る理由を考えることに四苦八苦し、手続きの書類を作ることより人間関係に一番疲れた半年だったと思います。
個人再生成功!|認可が下りたあとの借金返済方法



月々の支払いも楽になりましたか?

今まで毎月10万円を超える返済があったのですが、それが3万円弱にまで減り、生活に余裕ができるようになりました。


個人再生後の生活|不便な点と良かった点


特に車に関しては現金を貯めなければならず、結局どうしても足が必要なときにはレンタカーを借りていました。


車のことも含め、大きな買い物はまずできなくなるのが一番不便だと思います。
個人再生をしてよかったこと。精神的な余裕が生まれ、出世することができた


仕事にも余裕が生まれ、会社でも出世することができました。
残念ながら妻にはバレてしまいましたが、無理に返済を続けるのではなく、思い切って債務整理をしてよかったと思っています。


いま、個人再生を考える人へ|債務整理を検討してください


比較のためにたくさんの事務所へ相談しに出かけましたが、相場より安い弁護士事務所ほど癖の強い方が多く、あまり良い印象を抱くことはありませんでした。


私は、はたの法務事務所さんにお願いしましたが、無料相談でよくして頂いたことが大きかったです。
多少高額であっても、経験も豊富な法律事務所を探すのが一番安心できると思います。
費用は分割支払いできるところもあります。
ある程度お金がかかっても確実に依頼者の利益になるように行動してくれて、且つ対応も早い事務所を選んでください。


再生計画中の3年間は当然利息がかかりませんので、無理して返済されている方は早めに弁護士や司法書士に相談したほうがいいと思います。

まとめ:個人再生でムリのない生活へ。弁護士費用は分割も可能
今回Wさんには個人再生を行った経験談を回答していただきました。
個人再生は裁判所を通して行う債務整理です。
そのため、要件を充たす必要がある、個人再生したことにより官報に住所氏名が記載されるなどのデメリットがあります。
また3年間の再生計画案が認められない場合もあります。
依頼した弁護士・司法書士事務所とどの手続きを取るのか、将来的な収入状況も見越して検討しなければなりません。
しかし負債が1/5になることや、月々の返済額が債務整理前に比べ大幅に抑えられることなど…。
どれだけ借金が減額できるかは、弁護士の腕次第である任意整理よりも有用である場合があります。
Wさんの言うように、依頼費用は分割で支払うことも可能です。
無理をして返済を続けている方は、個人再生を含む債務整理について、まずは相談するところからはじめてみてくださいね。