毎月コツコツと借金を返していたのに、突然会社が倒産、あるいはリストラで失業…。
まだまだ負債は残っているにもかかわらず働き口を失うと、文字通り途方に暮れてしまいますよね。
「これまで真面目にしてきたのに!」
その反動から、パチンコやギャンブルに打ち込むようになったり。
あるいは借金の返済ができない焦りから追い詰められ、うつ状態になってしまったり。
それでも返済期日に1日でも遅れてしまえば催促の連絡が入ります。
ついには借金を借金で返す、という多重債務に陥ってしまう方も少なくありません。
このように失業が原因で借金が返済できない場合には、どのような解決策があるのでしょうか。

突然の失業で無収入になり、借金の返済ができないと、他の消費者金融など金融業者から借り入れて返す、といったようなことはできません。
闇金業者から法外な金利で融資を受け、その返済のためにまた別の闇金から…。
そんな恐ろしい借金地獄に陥ってしまう危険もあります。
「借金を借金で返す」という考えは一番に捨て去ってください。
失業中はアルバイトや派遣でお金を稼いだり、ハローワークの職業訓練などに参加して手当を受給したり、他にも失業手当、事由によっては傷病手当金などの給付を受けることができます。
それでも借金の返済ができず、生活が苦しくなる一方なのであれば、弁護士などに相談して債務整理の手続きを取る必要があるでしょう。
詳細は本文を参考にしてください。
無収入の中、借金返済はどうする?
勤務先の倒産や突然のリストラ、病気や怪我などが原因で失業…。
当然その先の収入は見込めません。
失業手当の手続きはもちろん行うべきです。
しかし、自己都合で退職した場合は、3か月間失業保険を貰うことができません。
また失業手当を貰っていたとしても、人間が生きていく上でお金は必要不可欠です。
借金返済に日々の生活費に就職活動に、はじめこそ貯金を切り崩すことはできても、いずれ生活は苦しくなっていくことでしょう。
自転車操業に注意…闇金は絶対に利用しないで!
収入がまったくない状況では、どの金融機関であっても融資をしてくれることはまずありません。
しかしすでにある借金の返済にお金がないというとき、無職の方が頼ってしまうのが闇金業者です。
確かに闇金・ソフト闇金と呼ばれる業者からは例え収入がなくても、お金を借りることはできます。
しかしその代償に法外な金利、執拗な取り立てや嫌がらせなどのリスクがあります。
債務者を追い詰める巧妙な罠が幾つも仕掛けられており、利用するにはあまりにも危険です。
例えお金がなくても、借金が返せなくても、闇金には絶対に手を出さないようにしてください。
失業で借金が返せないときの解決策
それでは、失業してしまって借金が返せないとき、どのような解決法が挙げられるのでしょうか。
アルバイトや派遣として働く/就職活動をする
まずはあなたが身体的、精神的にも健常な場合は、失業手当をもらいながら、アルバイトや派遣として働いたり、就職活動を行いましょう。
後述する債務整理を行うにしても、まずは収入がないことにははじまりません。
決してパチンコ、パチスロなどで儲けようと考えないでください。
パチスロできちんと生計を立てているのは、ほんの一握りのプロだけです。
また、闇金を利用して自転車操業に陥ることのないよう気を付けてください。
職業訓練校で手当を貰う
前職で雇用保険を支払っていた場合には、職業訓練校に通学することができます。
職業訓練校とは失業保険を貰いながら技能を身に着け、再就職を目指すものです。
入校の申し込みはハローワークの窓口で行います。
事前に訓練校の位置を把握し、見学説明会に参加してもよいかもしれません。
また、職業訓練校に通うことになれば、以下の手当を受けることができるようになります。
手当名 | 備考 |
基本手当 | 失業手当と全く同じ金額。 |
受講手当 | 1日あたり500円。1か月単位で、上限2万円の支給。 |
通所手当 | 交通費。自動車か交通機関の利用かで上限が定められている。 |
寄宿手当 | 家族と別居する必要がある人のみ。月額10,700円で固定されている。 |
職業訓練受講給付金の給付を受ける
職業訓練受講給付金(求職者支援制度)とは…。
雇用保険を受給できない求職者が職業訓練を受ける間、月額10万円の給付を受けることができる制度です。
参考:http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/safety_net/44.html
この制度は以下の要件をすべて充たした方が対象になります。
1 | 本人の収入が月々8万円以下 |
2 | 世帯全体の収入が月々25万円以下 |
3 | 世帯全体の金融資産が300万円以下 |
4 | 現在の住所以外に土地や建物を所有していないこと |
5 | すべての訓練実施日に出席していること |
6 | 同じ世帯の中で同時にこの給付金を受給、職業訓練を受けている人がいないこと |
7 | 過去3年以内に、不正行為などにより給付金の支給を受けられなかったこと |
これらの要件を充たすと、「職業訓練受講手当」として月額10万円、通所手当(上限有)が給付されます。
また月の収入が8万円を超えないようであれば、アルバイトをすることもできます。
しかし、職業訓練に通うかたわら、アルバイトもして就職活動もして、借金返済のことも考えて…。
それこそ精神的な余裕は失われていくことでしょう。
できるだけ早くに相談を/安定した収入がないときは自己破産の手続きへ
失業によって収入がなくなった。
でも、体を壊すなどして働くこともできない、親などに頼ることもできない。
そんな方は、すみやかに債務整理を行うべく弁護士に相談してください。
しかし、任意整理・特定調停・個人再生などの借金を減額する債務整理は、将来にわたる変動しない安定した収入が条件となる場合がほとんどです。
そのため、一般的には「自己破産」を解決策として提示することになります。
失業中の自己破産について
失業してまったく収入がない状態でも、自己破産の手続きをすることができます。
すでに自転車操業、多重債務に陥ってしまっている場合も同様に、債務整理に強い法律事務所の無料相談窓口へ連絡するようにしてください。
弁護士や司法書士に依頼するとなれば当然費用が発生します。
しかし、最近では分割払いのできる事務所も増えています。
自己破産のデメリットより、勇気を出したメリットのほうが大きい
もちろん自己破産によるデメリットもたくさんあります。
まずは、すべての借金が対象となるため、住宅ローンや教育ローンなどを解約することになります。
また債務に保証人がいる場合には、保証人に債務の請求が行くことになります。
官報に氏名や住所が記載されますが、一般の方が目にすることはほとんどありません。
また大きなデメリットとして、個人信用情報に「債務整理をした」という情報が残ることになります。
これにより、5年~10年にわたってクレジットカードやローンの利用ができなくなります。
しかしそれでも、自己破産することで今までの借金をすべてリセットできます。
また自己破産をしたからといって、年金や失業保険が差し押さえられるようなことはありません。
さらに再スタートのきっかけになるのなら、然るべき専門家と相談して裁判所へ赴くべきです。
「自己破産」という言葉のイメージは確かにネガティブなもの。
しかし制度として用意されている以上、必ず利用している人がいます。
あなたの事情がどうであれ、恥ずべきものではありません。
まずは勇気を出して相談してみてください。
まとめ:職業訓練や債務整理。失業中だからできること、考えられること
突然の失業に頭が追い付かない、これから残った借金をどうしよう?
そんな考えを巡らせている方は、このページでご紹介したような方法もあるということを覚えておいてください。
失業中は収入がない不安や、借金やローンの返済を滞納してしまったら…。
そんなことで頭がいっぱいになってしまいます。
まずは働き口を見つけることが先決です。
しかし失業を機会に新しく技能を修得したり、給付を受けながら就職活動をしたり…。
失業中だからこそできること、考えられることもたくさんあるのです。
借金返済に目処が立たなくても、まずは生活を安定させることを目指しましょう。
自己破産以外の債務整理を行うにしても、収入を得ないことにははじまりません。
ただどうしても支払えない場合や、多重債務に陥っているときにはすぐに弁護士に相談するように心がけましょう。